こんにちは
司法書士法人石川和司事務所の塚本です。
毎度突然ですが、株券て必要ですかね?
株券は、旧商法では原則発行することとされていたため、会社法により原則不発行とされた現在でも、株券発行会社のままの会社様が多く存在しております。
株券発行会社か否かは、実際に株券を発行しているか否かではなく、定款に「株券を発行する」旨の規定があるか否かにより決まります。
(登記上でも確認が可能で、「株券を発行する」という記載があれば原則株券発行会社です。)
しかし、定款上株券発行会社であっても実際に株券を必要としている会社様は、あまりいらっしゃらないのではないでしょうか?
株券を発行することのメリットとして、対外的に株主であることを証明しやすいという点が挙げられますが、不発行でも株主名簿記載事項証明書により同様の証明をすることは可能です。
反対に株券を発行することのデメリットとして、紛失、盗難のリスクがあり、紛失、盗難の結果、善意無重過失の第三者が株主となってしまう可能性がございます。
(株主さんが株券を無くしてしまったという話は、度々伺います。)
不発行であれば紛失、盗難のリスクはございません。
また、株券を発行する場合は、業者に委託したり、自社で発行する場合も台紙を買ったりと、慣れない発行作業に結構なコストがかかるかと思います。
比較してみると個人的な意見ですが、あまり発行するメリットは感じられないような気がします。
不発行に変更する場合は株主総会の特別決議で定款を変更する必要がございます。
また、実際に株券を発行済(印刷し株主に渡し済)の場合は、定款変更の効力発生日2週間前までに、公告と株主及び登録株式質権者への通知が必要です。
実際には株券を発行していない場合は、公告か株主及び登録株式質権者への通知のどちらかが必要です。
これを機に株券の発行について見直してみてはいかがでしょうか。
司法書士法人石川和司事務所
塚本拓也