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取締役の業務とは

こんにちは、石川です。
年末から取締役を解任したいという相談を何件かいただきましたので、僕も取締役について知識を整理したいと思いますので、何回かに分けてお伝えします。
まず、取締役に就任したら会社に対してどのような義務を負っているでしょうか?
取締役は、一般的に善管注意義務及び忠実義務を負っています。
「善良なる管理者としての注意義務」というのが省略していない全文なのですが、何とも難しい注意義務です。
通常の人よりも重い注意義務が課されており、普通の人が気付かないことでも注意をしなければならないのですが、その義務を怠ったか全うしたかの判断は、取締役個人の識見、能力、事案の内容などを総合的に判断することになります。
なお、取締役が負っている善管注意義務(及び忠実義務)の履行としての具体的な職務例は、次のとおりです。
☆取締役の職務執行に関する監視義務
☆取締役会出席、決議参加、報告義務
☆競業避止義務
☆利益相反取引禁止
☆違法配当禁止
最初に挙げた他の取締役の監視義務というのが、生身の人間としては悩ましい義務ではないでしょうか?
実際には、取締役が使用人兼務取締役という雇用関係で成り立つ従業員という地位と会社法上の責任が伴う取締役という地位を兼務しているケースが多いと思います。
そうすると、従業員としては、雇用主の代表取締役たる社長を監視して是正すべき事項を取締役会で報告するというのは相当勇気のいることです。
毎日、お酒を浴びるほど飲んで日々の職務執行が適時適正に行われていない場合に、飲み過ぎだから代表取締役の業務執行に支障をきたしているとは言えないですが、会社法はそのことを義務として求めていますから気付いて言わない場合は任務懈怠ということになります。
ところで、話は、全く変わります。
都知事選がはじまりました。選挙なので立候補している誰かに投票しなければいけないのですが、どのような人に立候補して欲しいというのは制度上要求できないのです。
僕が考える政治家の理想は、尊敬する西郷隆盛が残した次のような人です。
そんな人いないでしょうか?いないですよね。お金好きな人ばかりですからね。
命もいらず 名もいらず
官位も金もいらぬ人は 仕末に困るもの也
この仕末に困る人ならでは
艱難を共にして国家の大業は成し得られぬ也 (『南洲翁遺訓』より)
そのような男に一歩でも近づきたいと切に願う石川です。
今月もよろしくお願いします。
司法書士法人石川和司事務所
代表社員 石川和司