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~乃公(だいこう)出でずんば~

~乃公(だいこう)出でずんば~
この言葉は、新明解国語辞典(三省堂)によると「この俺以外の誰にそれが出来るものかと気負う」という心意気を表す言葉だそうです。
先日、「粗にして野だが卑ではない」(城山三郎/文春文庫)を読んでいた際、三井物産社長を務めた石田禮助氏が78歳にして財界の誰もが嫌がった国鉄総裁職を引き受けた際に言った言葉なのですが、この意味を知った瞬間、鳥肌が立つほど感動しました。
自分自身も、もやもやすると物事を損得勘定で見たり、俗物的な考え方に陥りがちになります。
その中で、われわれの先人には侠気を持ち、しっかりとした国家観を持った魅力溢れる素晴らしい人がいるのだという事実に感激し、その生き方に触れたとき、自らの生き方はどうあるべきかを真剣に考える機会をもらえます。
さらに、俗物的な価値観や肩書き、実績などで人を見るだけではなく、侠気を持った人、そのような男らしい生き方をする人を賞賛し、格好いいと感じ評価されるような社会風土をつくっていけたらいいなあと切に願っております。
石田禮助氏は、パブリックサービスということに対して自身の考え方がしっかりとあったため「年間50億人という人命を預かる職は、金をもらってやるべきではない」といって国鉄総裁職の給料を辞退したそうです。
また、在任中に池田総理の強い意向で勲一等叙勲の申し出があったのですが、「おれはマンキーだよ。マンキーが勲章下げた姿見られるか。見られやせんよ、キミ」と断ったそうです。
いやはや、この豪傑さには何ともしびれます。
現代の政治家諸兄にも心をあらためて初心に立ち返り、公職に取り組んでもらいたいです。
また、石田禮助氏は、遺言で細かく葬儀についても家族に指示を出していたのですが、いくつかある項目のうち祭壇について「最高も最低も嫌だ。下から2番目ぐらいにせよ。」と指示したとのことです。
何となく人間味を感じさせるうえに、指示された人が悩まなくてすむ細かい気遣いも感じます。
今年の梅雨は、雨が少ないので関東の水源地ではダムの水位が低いと報道されておりますので、節水を心がけてまいります。
なお、弊社では、民事信託に関してセミナー・勉強会を無料で承っておりますので、お気軽にお申し付けください。今月もよろしくお願いします。
Square1株式会社
司法書士法人 石川和司事務所
代表 石川和司